ハラスメント全般

「これってパワハラ?」無料の簡易診断が累計1,000件を突破しました——回答データから見える傾向と職場の予防へのヒント

「この叱責は、指導の範囲なのだろうか」「自分だけ仕事から外されている気がする」。職場で受けている言動について、一人で判断するのが難しいことがあります。

> パワハラにお悩みの方向けの無料サービス「これってパワハラ?」は、診断利用が累計1,000件を超えました。ご利用いただいた皆さま、サービスをご紹介くださった皆さまに、心よりお礼申し上げます。

このサービスでは、受けている行為が「パワーハラスメントに該当する可能性」があるかを、属性とチェックリストの回答から簡易的に確認できます。悩みや状況を整理し、必要に応じて相談につなげるための入口としてご利用いただけます。

今回は、2026年10月14日時点で保存された1,109件の回答について、主な傾向をご紹介します。同じ方の複数回の利用を含む可能性があるため、以下の数字は人数ではなく「診断件数」です。また、サービスを訪れた方の回答であり、社会全体のパワハラ被害率を示すものではありません。

利用状況:直近3か月は、毎月250件を超える診断

2026年1月末から約8か月半の間に、診断利用は1,109件となりました。7月は256件、8月は291件、9月は314件で、10月も14日の集計時点で149件の利用がありました。 利用の増加だけで、職場のパワハラが増えたと判断することはできません。それでも、受けている言動について確かめたい、状況を整理したいという方々に、このサービスが利用されていることを受け止めています。 月別の診断利用件数 ※10月は月途中の件数です。1〜9月の月間件数とは条件が異なります。

世代別:20代・30代の回答が全体の63.0%

年齢層別では、20代が448件(40.4%)、30代が251件(22.6%)で、合わせて全体の63.0%を占めました。40代は156件、50代は142件、10代は100件、60代以上は12件でした。 年齢層別の診断件数 これは、若い世代ほど被害が多いという結論ではありません。年代ごとのインターネット利用や、このサービスを知る機会の違いも影響し得ます。職場の予防を考える際には、年齢にかかわらず、困りごとを伝えられる機会があるかを振り返る材料にしたいと思います。

診断結果:グレーゾーンが58.9%

簡易診断の結果は、「パワハラの可能性が高い」が437件(39.4%)、「グレーゾーン」が653件(58.9%)、「該当しない」が19件(1.7%)でした。 簡易診断結果の分布 ここでの結果は、チェックリストに基づくサービス上の簡易判定です。個別の事実関係を調査した結論ではありません。 グレーゾーンという結果でも、受けている言動への悩みがなくなるわけではありません。「該当しない」と表示された場合も、困っていることまで否定するものではありません。判断がつかず悩んでいる方にとっても、状況を整理し、相談先を考えるきっかけになればと思っています。

行為の傾向:精神的な攻撃に関する選択が77.5%

6類型ごとに、いずれかの行為が選択された診断を集計すると、精神的な攻撃が860件(77.5%)で最も多く、過大な要求394件(35.5%)、人間関係からの切り離し358件(32.3%)が続きました。 簡易診断結果の分布 ※複数回答です。同じ診断で複数の類型が選択されるため、割合の合計は100%を超えます。選択された行為がすべてパワハラと確定したことを意味しません。 具体的には、「必要以上に厳しく注意された」が621件(56.0%)、「他の従業員の前で大声で叱責された、侮辱された」が462件(41.7%)でした。 この傾向を、日常の指導方法を振り返る材料として活用したいと考えています。伝えるべき業務上の指摘を具体的にしているか、人前での叱責になっていないか、相手を傷つける言葉になっていないか。そうした視点を研修や職場での対話に取り入れることが、予防への一歩になるのではないでしょうか。

業種別:さまざまな職場から回答

業種別では、小売・サービスが250件(22.5%)、医療・福祉が172件(15.5%)、製造業が147件(13.3%)でした。「その他」を含め、さまざまな業種から回答が寄せられています。 回答の業種別内訳 この集計には、各業種で働く方の総数やサービスへのアクセス数を反映した調整をしていません。そのため、回答件数の多さを、その業種の被害の多さや危険性として読むことはできません。業種に応じた事例を用意し、予防の取り組みを自分の職場に置き換えて考えるための参考としています。

相手との関係:「上司」が55.0%。それ以外の関係

受けている言動の相手については、「上司」が610件(55.0%)でした。一方で、「部下」169件、「先輩」149件、「同僚」102件など、上司以外の関係についても回答がありました。 簡易診断結果の分布 相手の役職だけで状況を判断せず、どのような言動があり、仕事や人間関係にどのような影響があるのかを確認することが大切だと考えています。直属の上司との関係に悩んでいる方も利用できる相談ルートがあるかは、企業側で振り返りたい点です。

管理者自身の「気づき」を、職場の予防につなげる

悩んでいる方が状況を整理できる入口をつくるとともに、企業側が日常の指導や職場の関わり方を見直す機会も大切にしたいと考えています。 当サービスでは、企業の管理者向けに「パワーハラスメントリスク診断」も提供しています。全38問の診断で、リスク認識・知識・対応力の3軸やカテゴリ別の弱点を確認でき、設問ごとの解説を振り返りに活用できます。 研修前に課題を確認する、研修後に理解を振り返るなど、自社の教育の一環としてご検討ください。 企業・管理者向けのパワーハラスメントリスク診断を見る

社内研修に使える教材のご案内

診断で得た気づきを、具体的な指導や相談対応の学習につなげる研修教材もご用意しています。 個人の気づきと、職場全体の予防の取り組みをつなぐために、ご活用いただければ幸いです。 「これってパワハラ?」の簡易診断は、引き続き無料でご利用いただけます。今後も回答の傾向を整理し、悩んでいる方の状況整理と、企業のパワハラ予防に役立つ情報をお届けしていきます。

無料のパワハラ簡易診断を利用する